アマダのBBSは30億円の人件費をかけて一台も売れなかった!

私が、アマダメトレックスに入社して、入社後すぐにP&Pの手伝いをした後に、UNIX版自動プロのORIGAMI開発に携わるようになったのだが、そのORIGAMI開発では、山本課長のもとに赤井主任がおり、そしてCADが野中尚さんの担当、CAMが柳下幸夫さんの担当となっており、新参者の私はまだoRIGAMIでは未着手のBEND(曲げ)の担当ということになった。

ところが、BENDの担当といっても何から着手すれば良いか皆目見当がつかなかったが、当面アマダが出版していたマシンニストに曲げ加工についての書籍があったので読んで、いろいろ調べていたりした。

そうしている内に、野中さんがメトレックスの研修センター内にBBS(Basic Bending Software)というパソコンのシステムがあるんで、持ってきましょうかということになった。そこで、許可を得て貸してもらったが、曲げシミュレーションは描画できるが、肝心の曲げ順や曲げ金型等との干渉が評価できるわけでもなく、何だか訳のわからないソフトウェアという感想をもった。

聞くところによると、研修センターでは誰も使わないから貸してもらえたというし、更にとんでもない事に、30億円以上の外注開発人件費を払った代物なのに、お客様には一台も売れなかったという。何とバカな話!

ORIGAMIではそうならないように、且つORIGAMIの制限に合わせて、基本仕様の概略を書いたのをイスラエル工科大学のシュピタニ先生のもとにFAXで送った。しかし、何も回答がなかった。

後年、この概略仕様は高木俊朗取締役が米国の間(はざま)さんのもとに届けたようで、それがBend Modelの事始めとなった。

 

もっと酷いのは、AP40という量販できたパンチングやレーザーの自動プロがあるにもかかわらず、AP40(C言語バージョン)以降AP60までの外注人件費が200億円以上になり、AP60としてやっと売れたのが数百台だったことです。何か間違ってませんか?