【複製】前川覚さんの言葉「ええんや、お金をつこうたかて、何も命を取られるわけではない」

私がアマダのソフト工房10階のアムテック本体にいて、AP200開発と後のAP100の前身となるNewAP構想に携わっていた時に、当時アムテックの常務取締役で元アマダの販売の伝説の営業マン前川覚さんに、私が「また新しい自動プロを開発するとなるとかなりお金が掛かりますよ」と言ったら、前川さんが「ええんや、お金をつこうたかて、何も命を取られるわけではないんや」と仰っていました。

 

当時はAP60を販売し始めたばかりでドタバタが続いていたわけですが、私は何でまたAP60に続けてNewAPなどを持ち出す必要があるのかと不思議でした。というのは、私はAP60の出来が悪いことも、どれだけ時間をお金をかけたかも知らなかったからです。もし当時、事情を知っていたら関わらなかったと今では思います。

まさかAP60の販売までに、AP40Ver.4(C言語バージョン)以降失敗に失敗を重ねて、失敗の総額が外注費だけで200億円以上になっているなんて!そして、AP60がボロボロの仕上がりだったなんて!

そして、AP60については、ORIGAMIデバッグプロジェクト時にアマダメトレクスの高橋裕取締役から、「AP60はAP40+BBSだ」と伺っていたんで、売れたAP40に全く売れなかったBBS(Basic Bending Software)を無理やり抱き合わせてのいわゆる、抱き合わせ商品として販売をする荒技をして、BBSが売れました的なお役所仕事を元アマダのC&C事業部長だった丹羽嘉男さんたちがしているのだと想像していました。

 

私は、AP100(PLSモデル)の設計開発に関わり、アマダグループのソフト開発者たちから「変なものを作るな!」とか「ORIGAMIみたいなものが売れるわけない」などと罵られて、鬱病になり、アムテックに在籍中も退職後も売れずに200億円の損失を出したらどうしようと何度も自殺を図る寸前まで行きました。まさに、命を取られそうでしたが、前川さんは平気の平左だったようです!